任意売却の相談において最も多いのが、リストラや失業、病気による給料減少で住宅ローンが払えないというケース。近年では50代や60代といった比較的高齢な方が相談するというケースが増えています。これには、バブル期に家を購入していたことが大きく関係しています。
戦後、日本は高度経済成長期を経て、バブル経済に突入しました。この期間に国民の生活水準は著しく向上し、企業の賃金も右肩上がりとなっていました。こうしたことから、この時期に家を購入する人の多くがこれからも収入が増えると考え、住宅ローンもそれを考慮して組んでいたのです。
しかし、現在の経済状況を見ればわかるように、バブル経済はそう長く続かず、不況の時代がやってきました。その結果収入が思うように伸びず、それどころか終身雇用制度の破綻からリストラが行われるようになりました。これにより、購入した家の住宅ローンが払えなくなって滞納してしまうのです。
また、病気によって住宅ローンが払えなくなるケースも少なくありません。前述したバブル期に家を購入したケースとは違い、こちらはどの年代にも起こり得ます。どれだけ健康に気をつけていても、絶対に病気にならないという保証はありません。だからといって、住宅ローンを組む際に病気になることを考慮するというのも難しい話です。こうしたことから、病気が原因で住宅ローンが支払えなくなるケースはなかなか厄介であるといえます。